Blog"   調達購買関連 最新トピックス
予測2022: 購買の本分へと潮流が変わった10個の購買重要課題および能力希薄領域マトリックスの最新版を発表-Hackett Group (2022-02-10)

世界中から注目を集める調査会社ハケットグループ(The Hackett Group)の2022年購買重要課題レポート(2022 Procurement Key Issues)が1月28日に発表されるとともに、レポートの内容をさらに拡張した内容のWebinar(スポンサーivalua)も、英米以外にドイツ、カタール、南アフリカ、アルゼンチンと世界中からの視聴者参加で開催されました。

■■#1: 10個の購買重要課題-2022年および5年間の変遷■■
まず2022年の10個の購買重要課題(Procurement’s top 10 priorities for 2022)は、以下の順位になりました。
1位:供給確保のための供給リスク削減(REDUCE SUPPLY RISK TO ENSURE SUPPLY CONTINUITY)
2位:支出コストの削減(REDUCE SPEND COST)
3位:ビジネスの戦略パートナーの役割を担う(ACT AS A STRATEGIC ADVISOR TO THE BUSINESS)
4位:自社サスティナビリティ貢献(ENABLE CORPORATE SUSTAINABILITY)
5位:購買デジタル変革の促進(ACCELERATE PROCUREMENT’S DIGITAL TRANSFORMATION)
6位:データ分析・モデル化・レポート作成能力向上(IMPROVE ANALYTICAL, MODELING AND REPORTING CAPABILITIES)
7位:変化するビジネスニーズに対応するスキルと人材確保(ALIGN SKILLS AND TALENT WITH CHANGING BUSINESS NEEDS)
8位:購買システム基盤の更新(MODERNIZE PROCUREMENT APPLICATION PLATFORMS)
9位:購買部門の対応迅速力強化(IMPROVE PROCUREMENT AGILITY)
10位:ステークホルダー指向・対応の強化(IMPROVE STAKEHOLDER-CENTRICITY)

一方で、2018年からのトップ5の変遷が、Webinarの中で次のように示されました。2020年(パンデミック)から明らかに潮流が変わり、ビジネスパートナーとか迅速対応とかの結構”上から目線”テーマではなく、まずは本務(安く確実に調達する)を果たせよと、尻に火が付いた状況が見えるようです(しかもコロナ前の2020年から始まっています)。

(2021年)
1位:支出コストの削減
2位:供給確保のための供給リスク削減
3位:ビジネスの戦略パートナーの役割を担う
4位:購買デジタル変革の促進
5位:購買部門の対応迅速力強化

(2020年...調査時期は2019年末ごろ)
1位:業務コスト効率向上
2位:支出コストの削減
3位:ビジネスの戦略パートナーの役割を担う
4位:購買システム基盤の更新
5位:戦略ソーシング対象の拡大

(2019年)
1位:ビジネスの戦略パートナーの役割を担う
2位:支出コストの削減
3位:ステークホルダー指向・対応の強化
4位:購買部門の対応迅速力強化
5位:業務プロセス効率化

(2018年)
1位:支出コストの削減
2位:ビジネスの戦略パートナーの役割を担う
3位:購買部門の対応迅速力強化
4位:業務コスト効率向上
5位:業務プロセス効率化

■■#2: 能力希薄領域のマトリックス■■
加えてWebinarでは成熟度と重要度からなる、例年作られるマトリックスも公開され、未成熟で重要度が高い象限に次の能力が、対応が緊急かつ重要なものとして位置付けられました。
サプライヤー関連が一気に注目されているのは、他社のレポートとも同様です。

・データ分析・レポート化(Data analysis and reporting)
・サプライヤーリスク管理(Supply risk management)
・サプライヤーリレーションシップ管理(Supplier relationship management (SRM))
・サプライヤー業績評価管理(Supplier performance management)
・人材管理(Talent management)
・契約管理(Contract management)

※もし今後のWebinarの出席できれば、リンク先のComplimentary researchよりも詳細な情報が得られると思います。

参考)
予測2021: 10個の購買重要課題の順位が変動、コスト削減と供給リスク対応が圧倒的トップに-Hackett Group (2021年1月31日)
https://www.facebook.com/itscobuy/posts/3962345163796698

予測2020: 10個の購買重要予測、想定される企業要件に対応する業務提供モデルをどうすべきか-Hackett Group (2020年1月15日)
https://www.facebook.com/itscobuy/posts/2933172900047268

2019年の購買業務予測をThe Hackett Group(5大重要領域)とArdent Partners(トレンドと7つの予測事項)が発表-The Hackett Group他 (2019年2月13日)
https://www.facebook.com/itscobuy/posts/2291056470925584