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断絶(ディスラプト)の末の今こそ購買・サプライチェーンの長期展望(あるべき姿)からのバックキャストが必要-Gartner, Mckinsey (2022-10-18)

調査会社Gartnerが6月15日に発表した論考「混乱の新時代に向けたサプライチェーンの耐衝撃化(Shockproof Your Supply Chain for the New Age of Disruption)」は、以下の2つの観点を提示しており、重要なものと思えます。

観点1:.直近-近未来-長期展望の3段階を考え、長期展望からのバックキャストの重要性を強調
観点2: 直線的なサプライチェーンではなく、ネットワーク化を超えたエコシステム化を提唱

まずは項目1)から採り上げます。この論考では、以下の3段階の必要性を論じます。
1).レスポンス - "今(1年以内) "に焦点を当てる。
2).ラーニング - "明日(2~3年)"に焦点を当てる。
3).インベストメント - "明後日(3年以上先) "に焦点を当てる。

確かに、現在進行中の危機や混乱を見過ごすことはできません。即座に対応(Respond)することが必要です。さらに予測(sence)されるものを学び、先行的に手を打つラーニング(知見を活かす)も重要です。しかし、それだけでバタバタとモグラたたきを続けてよいのでしょうか。

それに対して、この論考では長期的未来を展望(Envision)したうえで、バックキャスティング(Backcasting)により、なすべきことを試行錯誤していくことが、過去からの継続性が絶たれ(ディスラプトし)、フォアキャスティング(現状に立脚した予測)ができなくなった現在には重要としています。

同様な内容がコンサルティング会社のMckinseyからも「サプライチェーン:レジリエンスを高めるには、プロアクティブに管理する(Supply chains: To build resilience, manage proactively)」の題で、5月23日に発表されました。

この論考では、以下の3ステップを必要と考えています。
1).消火活動(Firefighting) - 緊急対応
2).構造的な強靭性の実現(Achieving structural resilience)-シナリオテストなど近未来対応
3).中期的な課題への取り組み(Tackling the medium-term challenge)

具体的な活動項目の示唆もあり、両方に目を通してみるべきと思います。

参考)
Supply chains: To build resilience, manage proactively-Mckinsey (2022年5月23日)
https://www.mckinsey.com/business-functions/operations/our-insights/supply-chains-to-build-resilience-manage-proactively