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嘘の暗黒面: サプライヤー交渉での嘘は一度つくと、相手にも周囲にも伝染する-Harvard Business Review (2022-11-24)

購買・サプライチェーン関連の記事が立て続くハーバード・ビジネス・レビューですが、14日にも「調査結果: サプライヤー交渉での嘘は伝染する(Research: In Supplier Negotiations, Lying Is Contagious)」が発表されました。

サマリーは次のように記されています。
「交渉の場で、人を欺くこと、あるいは完全に正直にならないことは、かなり一般的なことです。しかし、2つの実験により、それが組織内に蔓延してしまうという弊害があることがわかりました。この記事では、研究結果を説明し、伝染する可能性のある過剰なごまかしの習慣を抑制するための対策を提案します。」


調査は、営業担当者と購買担当者の2回の価格交渉を実験の場として行われました。最初の実験では、相手の購買担当者が正直に思える場合、営業担当者が嘘をつく比率は16%なのに対して、嘘をついていると思った場合、嘘をつく営業担当者は55%に増えるとのこと。そして確認の2回目の実験でも同様とのことです。

ゆえに論考では、以下を勧めています。
・交渉は複数人のチームで行う: 嘘つき1人で臨んだ場合、嘘が嘘を呼ぶ結果になりかねない
・行動規範を強く打ち出す: 倫理講習や日々の管理者による注意喚起も有効
・相手企業の交渉担当者を注意深く選別する: 相手が嘘つきの場合は交代を要求

ただしよくよく考えると、なんとなく日頃感じていることを改めて実験で検証した報告のようにも思えます。また、論理的な話し方より、感情的単語連発の方が嘘というのも、購買担当者なら日頃なんとなく感じているところとも思います。

それが実際に検証されているところは興味深く思えました。

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