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国家安全保障面からのサプライチェーン回帰論議活発化-台湾有事は半導体に加えて、日中貿易、海上輸送に甚大な影響-日経ビジネス (2022-12-31) | ||
12月1日に日経新聞が「脱中国」について製造業100社への調査結果を発表しました。そして「慶応大学の神保謙教授は「米中対立は深刻だ。台湾有事は起こりうる危機と考えた方がいい」と語る。その前提に立ち「企業は中国を外した供給網を再構築するコストを綿密に分析する必要がある」と有事に備えて平時から計画を練るよう促す。」とのコメントも付されました。 さらに一歩踏み込んだのが、台湾有事が生じた場合の影響をまとめた日経ビジネスの記事「大胆予測2023:台湾有事に備えよ 兵糧攻めで日本に打撃」(12月20日)です。 そこでは、影響を次のように分析しています。 (1).台湾向け輸出が止まれば、日本の実質GDP成長率が半減(2.1%→1.0%)する可能性。半導体関連産業は大打撃をうける。 (2).台湾からの輸入に集積回路の55%を依存する日本は、ほとんどの産業に大きな影響がおよぶ。 (3).日中貿易も止まる可能性がある。その場合2か月の8割ゼロチャイナで国内生産53兆円が消失) (4).台湾の脇を通るシーレーン利用不可による中東産原油輸入や東南アジア貿易の納期長期化・価格高騰 事態の発生は不明ですが、話題が急に増加し、伴って多くの企業が危惧している現状では、情報収集は十分に行っておくことは肝要と思われます。 一方で北米地域化(リージョン化)には、マッキンゼーが論考「リージョン化すべきか否か? 北米サプライチェーンの最適化(To regionalize or not? Optimizing North American supply chains)」を発表しています。こちらは密結合状態の日本より余裕がありますが、「予測不可能なグローバルな取引環境に対する機敏性と柔軟性」を確保するための北米版リージョン回帰の考察が行われています。 参考) 脱中国、物流や専門人材に懸念 製造原価5.3兆円増も、分断・供給網 製造業100社調査‐日本経済新聞(2022年12月1日) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2419Y0U2A121C2000000/ 中国調達「下げる」5割、代替先9割日本 100社に聞く 【イブニングスクープ】‐日本経済新聞(2022年12月1日) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC183B50Y2A111C2000000/ ゼロチャイナなら国内生産53兆円消失 中国分離の代償-日本経済新聞(2022年10月18日) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1259G0S2A910C2000000/ To regionalize or not? Optimizing North American supply chains-Mckinsey (2022年12月16日) https://www.mckinsey.com/capabilities/operations/our-insights/to-regionalize-or-not-optimizing-north-american-supply-chains |