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公正取引委員会、サプライヤー値上げ要請無くて価格据え置き(発注者が値上げ協議の場を設けなかった)主要13社・団体を「優越的地位の乱用」で社名公表 (2022-12-31)

2022年2月16日公開の「独占禁止法Q&A」では、

「労務費、原材料費、エネルギーコスト等のコストの上昇分を取引価格に反映せず、従来どおりに取引価格を据え置くことは、独占禁止法上の優越的地位の濫用の要件の1つに該当するおそれがあり、下記のとおり、独占禁止法Q&Aの①及び②の2つの行為がこれに該当することを明確化した。
① 労務費、原材料価格、エネルギーコスト等のコストの上昇分の取引価格への反映の必要性について、価格の交渉の場において明示的に協議することなく、従来どおりに取引価格を据え置くこと
② 労務費、原材料価格、エネルギーコスト等のコストが上昇したため、取引の相手方が取引価格の引上げを求めたにもかかわらず、価格転嫁をしない理由を書面、電子メール等で取引の相手方に回答することなく、従来どおりに取引価格を据え置くこと(下記、公正取引委員会リンク先より)」

が示されています。

しかしそれに加えて、取引価格引上げの要請の有無にかかわらず、取引価格を据え置き、発注者からは積極的な協議の場を設けていない場合についても問題があるとし、事業活動への影響が大きい13社・団体名が、12月27日に公正取引委員会から行われました。

佐川急便株式会社
三協立山株式会社
全国農業協同組合連合会
大和物流株式会社
株式会社デンソー
株式会社東急コミュニティー
株式会社豊田自動織機
トランコム株式会社
株式会社ドン・キホーテ
株式会社日本アクセス
株式会社丸和運輸機関
三菱食品株式会社
三菱電機ロジスティクス株式会社

つまり、当然の購入価格上昇が生じている場合は、購入者がその対応を設けないことが適正でないとされました。力関係でサプライヤーが言い出せない場合などを考慮して、購入者が配慮せねばならないと不適正ということが示されました。
購入者側は、従来にない姿勢を求められることになりそうです(やっていなかった場合は)。

なおこれは、12月27日の「独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に関する緊急調査の結果について」の発表と共に行われました(詳細は下のリンク参照)。

参考)
(令和4年12月27日)独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に関する緊急調査の結果について-公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/dec/221227_kinkyuchosakekka.html