フロリダ州オーランドで開催される「ISM’s 96th Annual International Supply Management Conference and Educational Exhibit (第96回 ISM(Institute for Supply Management)年次総会)」の期日が近づいてきました。ISMのホームページには、すでにかなりの数のプレゼンテーション資料が登録され、状況を窺い知ることができるようになってきました(http://www.ism.ws/Education/Handouts96.cfm)。
コンファレンスは15日午後~18日午前の実質3日間の開催ですが、数えてみると111の講演プログラムが準備されています。大きなイベントだなと思います。
では、どのようなプログラムが実施されているか、その概要を見ていってみましょう。
■メガと通常のワークショップセッションが88回
プレゼンテーションなどの発表を聴講できること、これがコンファレンス参加の1つの醍醐味と思いますが、今回のコンファレンスでは全部で88回も開催されています。
(1).メガセッション
ワークショップセッションは、メガセッション(Mega Session)と通常のワークショップに分かれています。まず、メガセッションですが、2~3時間にわたる大規模なプログラムで、購買業務を行うに身近な、以下の5つのテーマを取り上げています。
- ビジネスへの洞察[Business Acumen(BUS)]
- プロジェクト管理[Project Management(PM)]
- 契約[Contracting(CON)]
- 「財務分析[Finance(FIN)]
- ネゴシエーション[Negotiations(NEG)]
欧米では、要求元の要請を受けて調達が完了するまでの購買業務を「プロジェクト」と位置付けていますので、プロジェクト管理は購買スタッフの必須スキルになっています。また、契約では法律事務所の幹部がプレゼンテーションを実施しています。人気があるのか、事前申込が必須なのも、メガセッションの特色です。
(2).ワークショップセッション
これに対して、ワークショップセッションは、個別の関心領域に的を絞った1時間程度のプログラムになります。今回は、ワークショップセッションの時間帯がAからIまで9つ設けられていて、その時間帯ごとに原則10個のセッションが実施されています(いくつかのキャンセルがあるので、総数は90より少なくなります)。さらに、トラックという分類区分でセッションの色分けがされています。今回は以下の9つのトラック区分が設定されました。
- サプライマネジメントのベストプラクティス(Best Practices in Supply Management)
- サプライチェーン組織の設置と主導運営(Developing & Leading Impactful Supply Chain Organizations)
- 逆風(Headwinds)
- ロジスティックス(Logistics)
- 製造(Manufacturing)
- リスクマネジメント(Risk Management)
- サービス購買(Services Procurement)
- サプライヤー開拓と関係管理(Supplier Development & Relationship Management)
- 人材・スキル管理(Talent Management)」
面白いのは、「逆風(Headwinds)」かもしれません。今まさに購買部門が直面している課題を取り上げ、場合によっては克服事例を取り上げています。また、ISM最優秀企業賞(Gene Richter Award)にノミネートされた企業の事例発表も、ワークショップセッションの一部として実施されます。
(3).キャリアセンターセッションなど
プログラムコードの先頭が「Z」のものはやや趣きを違えています。キャリア、CPSMなどの資格試験、あるいはコンファレンスの過ごし方などの説明の機会が約1時間ずつ設けられています。キャリアについては、転職リクルーターが直に話をしています。
(4).注目すべきワークショップセッション
ところで、これらのセッションのうち、期間中に同一内容を2回繰り返して開催するセッションがあります。これらは、その年の注目セッションをして留意しておくべきかもしれません。2011年は以下のセッションが2回実施されます。
■その他のプレゼンテーション
(1)キーノート(基調講演)セッション
オープニング、16日昼食、17日朝食、クロージングの4回にわたり、業務上の特定のテーマに依らない基調講演が予定されています。オープニングのみデルファイの購買部門幹部ですが、以降の3回は購買部門でない人(技術動向の専門家、経済学者や経済アナリスト、マスコミ領域の経営者)の講演になっています。
(2)業界スポットライト(Industry Spotlight)
これと並行して、ベンダー企業の展示会場の一角で行われる各30分の業界動向のプレゼンが10コマ設けられています。プレゼンターは、スポンサー企業の代表者で、活発な質疑応答も促されています。予定されている10コマのプレゼン担当は、Northrop Grumman, Office Depot, SIRVA, Ariba, Travelocity、 Oracle, ARI, Rearden Commerce, Bank of America, American Expressです。例えば、金融系の2社は電子決済関連を積極的に進めている企業ですが、その提供サービス内容の説明が行われます。
■ISMアワード受賞企業はどこに?
Purcasing.comの休止もあり、購買関連も最も主たるアワードとなっているジーン・リクター賞(Gene Richter Award)です。2006年から開始され、現在までの受賞企業は
昨年はLG電子が唯一の最優秀企業に選ばれました。
今年は、以下の企業が受賞し、ワークショップでプレゼンテーションを行うことになっています。
■日々の見どころ
以降に、タイムテーブルを掲載してみます。特に、16日と17日は朝から晩までギッシリとイベントが詰まっています。