供給市場分析(Supply Market Intelligence) | ||||||||||||||||||||||
いくつかの企業では、販売サイドの「マーケット・インテリジェンス(市場調査)」部門が専門組織として設置され、マクロ経済動向、市場動向調査、顧客ニーズ調査、競合他社・競合製品調査などを実施し、その結果を組織内で共有する活動が、これまでも行われてきました。一方で、購買業務では、個々の購買担当者ごとの情報収集が主体で、組織的な情報収集・共有までには至っていない状況が生じていました。 しかし購買業務でも、専任共通サービス部門である供給市場分析(Supply Market Intelligence)部門を設立して、社外情報収集・分析の知見をここに集約する動きが、いくつかの日本企業を含めて出てきています。 属人的で品質もバラバラな情報に基づいて購買業務が行われ、かつ属人的に重複して収集されyた情報共有もされない状況の解決がその狙いとなります。 SMIが提供べき情報や洞察供給市場インテリジェンス(SMI)は、以下のような情報や洞察の提供の要否を検討しておく必要があります。※詳細は「供給市場インテリジェンス」も参照ください。 A.全般情報・洞察
B.品目ごとの情報・洞察B-1.市場情報
B-2.サプライヤー情報・洞察
C.その他 C -1.業務ベンチマークデータ:
収集データ上記の情報・洞察の主なデータソースは、以下のようなデータとなります。Hackette Groupが発表しているレポート類に、供給市場インテリジェンスの重要性の認識のアンケート結果が示されています。
A.専任者を配置する場合: 購買スタッフ各自が個別に供給市場に関する調査を行う際に発生しかねない業務重複や情報精度低下を防ぐために、一定規模以上の購買組織では専任の供給市場インテリジェンス担当者の設置が検討されます。 年初に購買スタッフの調査ニーズが調査され、それに応じて供給市場インテリジェンス担当者に業務が割り当てられます。 B.組織内で分担して行う場合: ただし、専任の供給市場インテリジェンス担当者を置くまでの組織規模・調査量がない購買組織も多く存在しています。 そのような場合でも、収集する情報と共有蓄積場所を年度ごとに定義し、購買スタッフが分担して情報収集に当たる手順を設定する組織が、供給市場インテリジェンスの潮流に合わせて増加しつつあります。 それにより、個人の机の中への情報の仕舞いこみや、同一情報の重複収集(重複購入)などの業務の非効率性排除を検討することが、情報活用の認識の高まりとともに、購買部門での標準手順手順として定着してきています。 C.社内部門へアウトソースする場合: 購買部門での情報収集を考える場合に、購買部門での不慣れさもあって障害となりがちなのが、情報源の識別です。 その対応策として、市場情報調査に慣れた販売側の社内市場調査部門に購買の供給市場インテリジェンスの実施を委託するケースもあります。 欧米企業では、低コスト地域に市場情報調査部門を設置している場合がありますが、その業務の一部として市場調査部門が供給市場インテリジェンスを担当している場合があります。 D.社外へアウトソースする場合: 「概要-供給市場インテリジェンス業務の位置づけ」にも記述したように、供給市場インテリジェンス業務を社外アウトソースする動きも進んでいます。以下に示すようなアウトソーシングの提案も出てきています。 Tata Consaltancy Service社のパンフレット 1.Supply Market Intelligence for Procurement Professionals: Research, Process, and Resources (Jeanette Jones and Kelly Barner, 2014年11月) 2.Market Intelligence: How to Find Information to Supercharge Your Sourcing - Spend Matters (Connor Cantrell , 2015年2月) 3.Sourcing Intelligence: The Third Intelligence for Corporate Strategy in the Horizontal Specialization Era (井上 敬介、井川 康夫, 2012年8月)
(その他)
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