Purchasing Must Become Supply Management (6)
米国のある電子機器メーカーは、鋳造品を重要ストラテジック品目に分類し、自社の年間購入量および鋳造品のタイプ別の調達複雑性の2つの観点から自社要求を体系的に分析した。この企業は、代替シナリオを比較しつつ、鋳物工場を1つ1つについて、サプライヤー候補とした場合の能力がどうかの評価をし、判断していった。このようにしてできた社外サプライヤーの新しい組み合わせは、5~15%の支出削減を生み出し、コスト競争力を大幅に改善した。 ある多国籍化学メーカーは、現行の原料供給源に関するリスクを削減するために、購買...
Purchasing Must Become Supply Management (7)
情報システムによる支援 戦略的購買管理を推進するには不完全もしくは不十分な事業計画や事業目的情報しか、購買部門が入手できていない場合があまりにも多い。購買部門担当のエグゼクティブは、主要業容拡大や投資プロジェクト、さらには月次の生産予定などは伝達しているのが常である。しかし、購買部門が価格交渉、納入予定の変更、定期的な需要変動に対応した新材料在庫量の調整を行うに不可欠なのは、短中期の需要変動のような直近3~6か月の業務情報なのだが、これらが十分に伝わっていない場合がある。 これらのデー...
Purchasing Must Become Supply Management (8)
(HBR誌による記事紹介) 効果的な購買管理の実現は一足飛びにできるものではない。実現途上にある多くの障害を克服しなければならない。しかし、実現成果はその努力に十分に見合ったものとなる。「いつもの購買」の態度は、競争相手に対して企業を脆弱にすることにつながる。しかし、購買領域での戦略的な配慮を強め、柔軟性を向上させ、自発的企業家精神を強化するならば、供給の安全性を改善するとともに、同業他社よりも低いコストを実現できるのである。 多くの企業では、購買は、おそらくは他の業務機能以上に、ル...
供給クラッシュ~全体破断状況にいかに対処すべきか(前半)
経済システムの広範囲に影響が及び、予測不可能な「クラッシュ型重大危機」に対しては、従来の対応策が十分に機能しない。発生する4つのクラッシュ - もの、サプライヤー連携、社内連携、指揮系統 - に的確に対応するためには、サプライヤーの事業継続計画(BCP)共有などの事前準備とともに、状況に対応した適正なコントロールを実現する仕組みが求められる。 大震災から10日ほど後、私は「生き残る判断、生き残れない行動」(注1) を読み返していた。邦題はやや大仰に思えるが、”THE UNTHINK...
供給クラッシュ~全体破断状況にいかに対処すべきか(後半)
Ⅱ. 4つのクラッシュ:もの・サプライヤー・社内連携・指揮系統 東日本大震災では、4つのクラッシュが発生したと考えている。もの、サプライヤーとの連携、社内連携、指揮系統(リーダーシップ)である。「もの」については、前述のように、製品に組み込まれる原材料から、副資材や電力供給まで非常に広範囲にわたる供給途絶が発生した。原子力発電所事故よる外国人の帰国ラッシュが発生し、日本全体で労働力が不足するという事態までが発生した。回復期間も長期にわたり、部材在庫を使い果たした4月中旬以降は、第2次の困...
ISM Conference 2011の概要
フロリダ州オーランドで開催される「ISM's 96th Annual International Supply Management Conference and Educational Exhibit (第96回 ISM(Institute for Supply Management)年次総会)」の期日が近づいてきました。ISMのホームページには、すでにかなりの数のプレゼンテーション資料が登録され、状況を窺い知ることができるようになってきました()。 コンファレンスは15日午後~...